intermezzo

死んでも忘れられない観劇をして生きたい

2018年観たもの読んだもの

舞台

今年は観劇のほとんどが宝塚で、なかでも雪組に集中して通った一年でした。

お金と時間が無限にあれば全組どの公演も一度は観たい!けれども、どうしても望海風斗さん・真彩希帆さんの二人の率いる雪組を少しでもたくさん観たい気持ちが勝ってしまい、すっかり傾倒してました。

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ひかりふる路』は心にたくさんのものを残してくれました。

真っ直ぐに正しいだけの心では生きていけない人間にとって、迷いや苦しみ、罪の意識や後悔にまみれてもなお、希望やひかりを心の中に見出して照らしてくれる作品の力はとても大きい。現実を忘れるのではなく、自分の人生を生きるうえでも心に寄り添うメッセージを託してこの作品を生み出した生田先生に感謝しています。

だいもん、真彩ちゃん、咲ちゃんはじめ雪組生たちの役を生き抜く姿に心が震えて、エネルギーをたくさんもらいました。マクシム、マリー=アンヌ、ジョルジュが舞台の上で生きていた幸せな日々を忘れません。

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千秋楽には勇気を振り絞り、「今までで一番大好きな作品になりました」と生田先生にお伝えしたのですが、ド緊張しててファン丸出しでめちゃくちゃ恥ずかしかった!!けど、「そんな風に言っていただけて何よりの光栄です」と返して下さり伝えて良かったなと思いました。この先の生田先生の作品も楽しみ。

熱い夏の思い出Gato Bonito!!雪組生の魅力がこれでもかというくらい爆発してて、やっぱり藤井先生は生徒への愛があるなと嬉しかった!

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白猫咲奈様とガートボニート様の絡みも、だいきほコパカバーナも最高だったけど、お気に入りはサバンナの場面。望海風斗の歌う「今日裏切られても明日いいことがある」の説得力にやられた……劇場いっぱいに響き渡るだいもんのアカペラの歌声は、まるで神が大地の生命力を呼び起こすような、根源的なエネルギーを感じさせる。心にも身体にも共鳴する不思議な体験でした。 

『ファントム』は信じられないくらい素晴らしくて、来年の東京公演でさらなる進化を見届けるのがいっそ怖いくらい。

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雪組以外では月組BADDYが最高だった!「悪いことがしたい いい子でいたい」がパンチラインすぎて泣きそうになったよ。ちゃぴのグッディはセーラームーンプリキュアも通っていない私にとって、初めての女の子のヒーローです。 

昨年の『邪馬台国の風』新人公演以来、花組新公世代のファンなのですが、今年はMESSIAH』新公を観に行けた。

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実は本公演を観られず、新公ではじめて作品に触れて、作品自体に対してマジかよと思うところが多かった……信仰突然の救世主祭り上げ自決エンドっておい原田先生そりゃないだろ……大階段で殺された人たちを十字架の形に模すのは趣味悪すぎて本気で引いた。

98期生以下の花組生たちは今回も本当に素晴らしかったー!役を生きる心を感じて、とても引き込まれます。主演の聖乃あすかさんは情熱が見る側に伝わってくるお芝居でした。初ヒロインの舞空瞳さんはこれぞヒロインの輝きで清々しい。将軍役の希波らいとくんは短い出番ながらも、人の生きざまを見つめようとする心が伝わって印象的。長を務めた飛龍つかさくんのご挨拶は、舞台を作り上げる一員としての自覚を感じさせる立派な言葉で、胸が熱くなりました。これからも花組の新公はぜひ観続けたいです。

 

宝塚以外の舞台だとジャージー・ボーイズWHITEがとっても良かった。

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中川さん、中河内さん、海宝さん、福井さんの四人のハーモニーが刺激的かつ心地よい。ストーリーにほろ苦さがありつつ、みっともなさや弱さも人間らしさで愛おしい。音楽が好きだ!って気持ちでいっぱいになる幸せな観劇でした。

出演者のなかでは海宝さんの歌声と笑顔にやられた……。爽やかなのにどこか懐かしさを感じさせる歌声。あと英語の発音がすっごく好みです!!通路に降りてお芝居される場面で目の前でウインクを食らったのは心臓止まるかと。底知れない魅力のある人だなあ。

 

久しぶりに劇団四季も観劇できた。気になっていたノートルダムの鐘』です。

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KAATは『ドン・ジュアン』以来なので、開演前は記憶が蘇ってきて感傷に浸る。開演するとぐいぐい作品に引き込まれる圧巻の舞台。演出も面白い。たまたま観劇したのが千秋楽で、熱量の高さも堪能できた気がします。今思うと『ファントム』と重なる要素がたくさんあるので、もう一度観たい。

 

ライブ

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Kalafina 10th Anniversary LIVE 2018は一つの マスターピースと言えるようなライブ。セットリストはファン投票によって選ばれた上位25曲と直近シングル収録曲のみ。ライブの直前にプロデューサーの梶浦由記さんが事務所を退社され、Kalafinaというグループの先行きが不透明な状態でしたが、この先どうなるかにはまったく触れず、大掛かりな装置や演出もなく、ただただ彼女たちの届けたい音楽だけで構成された究極のパフォーマンスでした。

たまたまラジオでデビュー曲「Oblivious」を耳にしてから10年間、美しいハーモニーという核を変えずに、Kalafinaは音楽という恵みを私の心にもたらしてくれた。言葉では言い尽くせないけれど、メンバーの三人やプロデューサーの梶浦由記さんはじめ、Kalafinaの音楽に関わったすべての方々へ感謝の気持ちしかありません。

ライブの後、三人のメンバーのうちKeikoとHikaruがそれぞれ異なるタイミングで事務所を退社し、結果的にWakanaのみを残してKalafinaは実質的な解散状態に。Wakanaの初ソロライブには足を運ぶことができました。

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Wakana、Keiko、Hikaruの三人と梶浦さんで共に紡ぐ音楽はいったん終止符を打たれたけれど、それぞれの歩む音楽の旅はこれからも続いていく。いつかきっとどこかで、その道が交わると信じています。

 

世界一大好きで特別なアイドル山本彩さんの卒コン、SAYAKA SONIC〜さやか、ささやか、さよなら、さやか〜』奇跡のような特等席で、彩ちゃんのパフォーマンスをこの目で見られました。

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感傷に浸る気満々で参加したのに、最高の一言!全曲出演した彩ちゃんのパフォーマンスが格好良すぎて、惚れ直すばかりで、楽しくて夢中で。アイドル山本彩が最後に一番の景色を見せてくれた。

とくに自身が作曲した「孤独ギター」で振付担当メンバー日下このみさんと繰り広げたセッションはクリエイティブ爆発で死ぬほど格好良かった……。そして「野蛮な求愛」では、万博記念公園の3万人を抱いたと言っても過言ではない。まだまだ才能を磨いて開花させていく山本彩さんから目が離せない!そしてNMB48が好きだ!という気持ちでいっぱいになる卒コンでした。

山本彩さんは私にとって同い年の女の子であり、挫折を経験しても夢を追い続けていて、何でも出来るように見えて不器用な一面があって、とても遠い存在なのに憧れと親しみの両方を抱く特別な人です。「生涯現役で、皆さんの前で歌を歌い続けられるような人間でいたい」と語る彩ちゃんの言葉がファンとして嬉しくもあり、一人の人間として励みにもなっている。アイドルの道を選んだ彩ちゃんにも、青春そのもののように自由で熱く優しいNMB48というグループにも、「ありがとう」という気持ちでいっぱいです。

映画

1987、ある闘いの真実』がとても力ある作品で素晴らしかった。これは何年経ってもきっとまた見たい。

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はじめから信念をもって生まれる人などいないけれど、誰かの信念に触れたとき、自分の心にも思いが宿るときがくる。それと向き合うのは決して簡単なことではないけれど、思いを意志に、信念を行動した人の姿だけにできることがある、そう信じたくなる映画でした。

 

BL

心を捉えて離さなかったのはMarble

Marble (ビーボーイコミックスデラックス)

Marble (ビーボーイコミックスデラックス)

 

ビストロを舞台にしてた作品で、すごくときめくし元気になれるお仕事BLです。ビストロのシェフと彼の料理に惚れ込んで尽くしまくるギャルソンの二人なんだけど、互いに相手の仕事への惚れ込みっぷりが恋につながるのが最高……

あれだけ尽くしておいて「ぜんぶ仕事です」じゃ辛いに決まってる、ってくだりが大好きです。真理すぎる。二人の関係性の積み重ねがビストロの仕事を通してめいっぱい描かれてて、美味しい料理も食べたくなるし、仕事も頑張ろうと思えるし、本当におすすめ。何度も読み返してます。

 

 そして大好きな『憂鬱な朝』の完結。

憂鬱な朝8 (キャラコミックス)

憂鬱な朝8 (キャラコミックス)

 

 久世暁人と桂木智之というまったく異なる性質の二人の男の運命が交わり、どうしようもなく影響を及ぼし合いながら、自分たちの意志で生き方を選び、人生を切り開いていく物語。「家」というものに関わる人々と時間を感じる大河ロマンであり、「分かり合えない二人」がどうやって共にあろうとするのか?を見せる人間ドラマ。

私はなんと言っても暁人と智之の人としての魅力や成長ぶりに惹かれました。人は変わることができるし、未来は自分で作るもの。あんなツンケンしてた二人がこの先きっと笑顔で生きていくと想像すると優しい気持ちになれる。日高先生の次回作も心待ちにしてます!

フィギュアスケート

もっとも心に残ったパフォーマンスは平昌五輪ペアFSのアリオナ・サフチェンコ&ブルーノ・マッソー組。


Aljona Savchenko and Bruno Massot (GER) - Gold Medal | Pairs Free Skating | PyeongChang 2018

アリオナは私がペアを初めて見たバンクーバー五輪のころから素晴らしいトップスケーターだったけど、新たなパートナーであるブルーノとのチャレンジが最高の形で結実したパフォーマンスに、人間に限界はないのだと思い知らされました。

独創的な振り付け、完璧なエグセキュージョン、音楽との神秘的なほどの調和、女神のようなアリオナと大地のようなブルーノの個性の輝き……どれをとってもベストとしか言いようがない。

シングルほどにはカップルを見てきてないけど、知れば知るほど奥深いペアとアイスダンスの世界にこれからも魅せられていくと思います。

 振り返って

2018年、たくさん心に残る体験があったなかで、「出会いと別れを大切にしよう」と改めて思いました。

何よりもKalafinaが形をなくしたことが大きかった。別れを知らされずに最後のライブを経験したことになるけれど、それでも辛さや悲しさ以上に、Kalafinaの届けてくれた音楽と愛に対して伝えきれない感謝の気持ちを抱きました。彼女たちの人生も音楽の旅も、この先まだまだ続いていく。その道が少しでも優しいひかりに満ちているように、ただ祈っています。そしていつかそれぞれの道が交わるときには喜びを感じられるよう、私自身の心も大切にしておこうと思っています。

どんなものでも一つの区切りを迎えるときは必ず訪れるけど、そのときに時を止めたいと思うのではなくて、後から振り返ることもできるような思い出にするために、できる限り心の整理をしてお別れをしたい。それと、別れるばかりでは辛いから、新しい出会いだと感じたら行動しよう!と心にとめました。ほんとに行動力が弱いって自覚あるから、自分のために頑張りたい。

2019年も死ぬまで忘れられない観劇を求めて、本気とまったりを半々くらいで、たくさん色んなものを観るのが楽しみです!